Qubes OS: バージョン番号のないdisposable templateを作成する

更新日: 2023/07/18

このメモはQubes OS R4.1を対象としています。他のバージョンでは動作しない可能性があります。

Qubes OS R4.1まで、標準で作成されるdisposable templateは"fedora-37-dvm"のように、その名前にディストリビューションのバージョン番号が含まれています。しかしQubes OS R4.2では標準のdisposable templateの名前からバージョン番号を削除することが提案されています。私の知る限り、disposable templateにバージョン番号が含まれていても特にメリットはないので、R4.2の変更を先取りして新しくdisposable templateを作成し、それを使用するように設定してみましょう。

具体的な手順

ここではシステムにインストールされているFedora templateがバージョン37であると仮定して進めていきます。バージョン番号は適宜読み替えてください。

  1. qvm-create -l red -t fedora-37 default-dvm qvm-prefs default-dvm template_for_dispvms True qvm-features default-dvm appmenus-dispvm 1
    この3行のコマンドで新しくdisposable templateを作成します。今回は名前を"default-dvm"としました。1行目で新しくqubeを作成し、2行目でそれをdisposable templateとして利用できるように設定します。3行目ではアプリメニューで作成した"default-dvm"がdisposableとして扱われるように設定しています。
  2. qubes-prefs default-dispvm default-dvm
    Qubes OSシステムの標準disposableを新しく作成した"default-dvm"に設定します。
  3. qvm-shutdown --wait --all
    全てのqubeをシャットダウンします。これをしないと次のステップが実行できません。USB接続のマウスやキーボードは使用できなくなる可能性があるので注意してください。
  4. qvm-prefs sys-usb template default-dvm qvm-prefs sys-net template default-dvm qvm-prefs sys-firewall template default-dvm
    sys-usbやsys-net、sys-firewallがdisposableとなっている場合はこのコマンドで"default-dvm"を使用するように設定します。このコマンドは各qubeが停止しているときのみ実行できます。
  5. fedora-37-dvmを使用しているところ(あれば)の設定を新しく作成したdefault-dvmを使用するように変更する。
  6. qvm-remove fedora-37-dvm
    不要になったfedora-37-dvmを削除します。このコマンドが失敗する場合はシステムのどこかでfedora-37-dvmを使用する設定が残っているということなので、それを修正してください。